開津谷(ちょこっとだけ)

写真は、会のページにあります。
骨を折ってからの初登山が折立〜薬師ピストンで、こっちはバンバンだった。で、調子にのって第二弾で早月尾根を下ったら、ボロボロになって二年のブランクを思い知らされたのが先週。今週は沢登り復帰第1弾で開津谷。大笠山を巡る谷の一つで、隣がかの有名な大畠谷。日本百名谷にも数えられる5級の険谷「大畠谷」を遡行する程の猛者供が、主に下降に使っているらしい。ま、魚留滝さえ超えれば楽に稜線に抜けられるんじゃないの、と軽いノリで仲間と入溪した。

取り付きは、五箇山境川の桂湖にかかる開津橋たもとの作業道を少し行ったところ。作業道が上部に行く道と河原に下る道に分岐する辺りに土砂崩れがあり、そこで車はストップ。車外に出るとオロロの歓迎受ける。河原に下る作業道をしばらく行って、堰堤を6個余り超えたら入溪とあいなる。

入渓ほどなくちょっとしたオチが現れる。けっこう深い釜を持っていて、先行きが楽しみになる。さらに行くとほどなく魚留滝。ちょっと近すぎないかい?と思うがまぁいいや、こいつをマクか登るか、それが問題だ。
まずは巻く道筋を探ってみる。少し手前の左岸(右側)ルンゼ状を登れば何とか巻けそうだがちょっと大変。滝の右側の岸壁に近付いてみると、見た目ほど壁は立ってないしホールドもありそう。で、これは登ろう、と言うことになった。Yさんが空身でリードすることになり、私がビレーする。途中の小テラスでビレーを取る。残置のハーケンに一本打ち足してランニングを取り核心に行く。右手のカンテ状を登ろうとしてるようだが、下から見てるとカンテを登った後のオチ口へのトラバースが悪そうで、左手滝身近くを行くように下から指示する。そこには残置ハーケンが一本あって、そこでランニングを取ってヌンチャク掴んでA0で何とか登りきる。一同拍手!!

私はYさんのザックを背負ってセカンドで続く。セカンドで行ってみて、「良くぞここをリードしたもんだ」と感嘆する。フラットソールで手にはチョークたっぷり付けりゃ俺だっていけたかもしれんが、沢靴じゃぜってぇ無理です。クライミングをやるようになってから、このあたりが逆に以前のように出来なくなったと思う。んー、やっぱ沢もやってないとダメだね。

魚留滝を過ぎていくつかオチやチョックストーンフォールを超えて(それぞれナカナカで、大畠谷をやるくらいのメンバーなら楽勝かもしれんが、自分たちにちょっと難しめの面白さだった。)暫く行くと、右手に大岸壁。百メートルを超えるような大岸壁。で、そいつに3段の滝がかかっている。こんなん誰も聞いてないよ。いくつか読んだ記録にも無い。秋には消える滝だから?大畠谷の岸壁と比べると大したこと無いから?判らないが、今自分たちはこの岸壁と滝を見られて、本当に良かったと思うね。これだけを見に入渓しても良いかなと思う、それほどのもの。

さらに進むと、左から右とドッグレッグした谷に5メートルあまり(10メートルは無いと思う)の滝。両岸つるつるで、岸壁に囲まれていてとても登るのは無理。右手(左岸)から支沢が入ってきてるんで、これを使って巻くんだろうなぁ…。しかし、巻きは藪コギになるんで、全員却下の意見。既に時刻もお昼前、高度計から推察するに二又970メートルのまだ少し下。とても稜線は無理、首尾よく稜線に抜けても、右又を下ってあの大岸壁のようなのに出くわしたら、ビバークもの。往路を戻るにもやっぱり藪コギがある、と言うことで本日はここで打ち切りとした。

少し戻って大休憩を取り、下山することに。お助けにロープやシュリンゲを数回出し魚留の上段の滝上部に到着。俺の意見は、「ロープは35メートル二本あるんだから、これを繋いで滝二つ一気に懸垂しよう。」というもの。言いだしっぺの法則ではないけど、自分がトップで下る。ほぼロープ一杯一杯で下に到着、笛で合図し、続いて全員下る。

復帰一発目の感想としては「やっぱり山は沢が最高!!」。ただ、沢は総合力を求められるし、ちょっとした遡行でも疲れる。先週の剣以上に疲れて、帰宅したらぐったりしてしまった。来週は、東芦見かなぁ…。どこまで行けるんか判らんけど、また楽しめたら良いと思う。

参考コースタイム
取り付き(作業道終点)7:10 → 最後の堰堤 8:00 → 魚留滝 8:45〜9:30 → 左岸大岩壁 10:30 → 終了点とした滝 11:50 → 少し戻って昼食 12:30〜13:00 → スタート地点 15:00