突然の入院で主治医や手術場のスケジュールが空かず、「手術、水曜日になるかもねぇ」なんて言われていたのが、何とか本日午後遅くにスケジュールに入れてもらえることになる。良かった良かった。我侭を聞いて下さったドクター、ありがとうございます。
昨夜は、疼痛であまり眠ることが出来なかった。大便もしていないので、そろそろ腹が張ってきたところ。ベッドの上でするのは、自分はかまわないけど、同室の人達に大迷惑だ。早いとこ手術をすれば、楽になるんじゃないかな、と勝手に考えていて、とにかく何もかにも今の状態はかなり我慢の限界だった。

朝、手術にそなえて色々準備開始。まず、「浣腸」。腰椎麻酔をするので、直腸から余分な大便を出してしまっておくとのこと、やってる最中になんと部長回診。部長先生露骨に嫌な顔をするし、看護婦さん達は大慌て。なんと、私よりも部長先生に謝ってるんだわさ、彼女達。おかしいよな、こっちは患者云わば病院の顧客だ、整形外科部長は、整形外科における顧客担当の担当部長または取締役若しくは執行役といったところ、回診時に診察できない状態であることについて、看護婦を叱るのは良いし、その場では私(患者、則ち顧客)に詫びるのが当然なのに、そういう感覚全くない。第一、「今から部長先生が来られます」って患者に言うか?看護婦さん。それを言うなら「ただいま、整形外科部長が参ります」だろ。うーむ、不思議な世界だ、と思いながら、こちらは久し振りの便通でお腹はスッキリした。でも、同室の方々には「とんでもない臭い匂い」すみません!!そして、汚物を処理して下さった看護婦さん、ほんとうにありがとう。

血液検査、動脈血の検査、血圧計測、体温計測、血の止まり具合いを耳を切って確認、色々問診と続く。動脈血は「まっ赤」で、看護婦さんやドクターが驚いていた。「タバコ吸わないんですねぇ、やっぱ吸わない人の血はきれいだ」と誉められるが、まぁ大昔は吸っていた。やめてもう二十年近いのかな?やめて良かったな、と思う。

お昼すぎには女房もやって来てくれた。その間も会社から電話が入るので、色々指示、改めて自分の怪我の迷惑度の大きさを思い知らされる。

15時過ぎ、ベッドごと手術室に向かう。ベッドから手術室に移し替えられる瞬間がこれまた痛い。手術室では腰椎麻酔。私は喘息もち(そんなに酷くないし、10年以上発作は経験していないが、薬は飲んでいる)なので、先生慎重で「痛みにより発作が起こっては大変なので、局所麻酔をした上で腰椎麻酔をしましょう」と言ってくれる。助かったぜ、腰椎麻酔は半端な痛さじゃない、と聞いていたのでこれはラッキー。ん?まてよ、なら皆な我慢せずに局所麻酔をしてから腰椎麻酔すれば良いのに、何でそうしないの?局所麻酔を予め施すことにそんなにリスクがあるのだろうか?とやや不安になるが、とにかく腰椎麻酔注射の痛みに耐える必要なかった。

やがて、下半身が麻痺して来る。しばらくすると、足と言うか腰から下が「なくなってしまった!!」なるほど、痛みを感じない、じゃなくて完全になくなってしまうような感覚になるんだと初めて知った。他の腰椎麻酔で手術した人の話しを聞いていると、このあたりで眠くなって、手術中のことは判らない、と言う人が多いが、私は全く眠くならない。手術中もドクターやナースの会話が全部聞こえてしまっている。随分えーかげんな感じの話しもしてるみたいだ。

術式開始時刻は?えーっと今15時40分を過ぎているから多分35分位じゃないの?まぁいいや、良く判らんけどそうしとこう。って聞こえてるぜ。ボルトのサイズがどうだとか、骨の向きがナンタラとか、カンカンってボルトを打ち込む音から…

そうこうしているうちに17時頃かな、骨の固定は終了し、ほぼ手術は終了したらしい。レントゲンを2枚。こっちからも見える。うーん、完璧じゃないですか。さすが、技術だねぇと関心。なんだか医者というより技術者って感じですな。「完璧ですね、ありがとうございます」とオイラが言ったら、ドクター、けっこう驚いて「そうでしょう、うまくいきましたよ」とうことでした。まさか起きているとは思っていなかったのかな?

その夜は、麻酔が切れて痛かったけど、痛み止めの坐薬でわりとぐっすり眠ることが出来ました。