いよいよ治療することが何もなくなったので、急性期を脱して目出度し目出度し、だということで、亜急性病床に移動する。さらに、術後3週目のレントゲンの結果に異常がなければ何時でも退院は ok といわれる、万歳!!
しかし、この「亜急性病床」がクセモノだった。5人部屋から2人部屋になったんだが、隣のお父さん、言葉をしゃべれない。なんと、脳梗塞かなにかそんな病気の後遺症で、話すことも自分で身体を移動することも出来ない、ナースコールを押すことも出来ない、、、、。しかも、この病棟全部が大体こんな感じの患者ばっかり、なんということ、これは折れた「足」以外は健常な俺にはかなり厳しい環境だ。これも、経験と思うがどうにも我慢が出来ない。一日も早く退院したくて、最初29日と言っていたのを女房に無理言って休んでもらって26日退院にした。

リハビリには、脳梗塞やその他の脳の疾患により身体に重い麻痺が残り、それを何とか歩けるように、自立した生活が出来るように、と頑張っている患者さんも多勢きている。膝や腰を手術して、その回復に頑張っている方も沢山いらっしゃる。私は、今までそんな世界とは全く無縁で過ごしてきたので、初めてリハビリ室に入ったときは、かなりショックだった。でも、リハビリ室に来ている方は皆な、必死に少しでも現状を改善すべく頑張っている。自分も重傷を負っているんだが、これは時期が来れば必ず直る。何時直るか、どの程度直るのか、とにかく一生懸命頑張っている皆なを見ていたら、心の底から応援したくなった。リハビリ室でリハ仲間もできて、「これは本当に良い経験をさせてもらっている」と思っていた。がしかし、今この病床にいる多くの人は、本当に救いを感じられない。これは、ハッキリ言って一緒にいるのが辛いのだ。

ということで、なんとも言えない、本当に嫌な経験をしてしまった。これもなにも、自分の責任かぁ…。老いと病で、生きる気力とか、元気になるんだと言う希望を見いだせない、そんな人達もおなじく患者なんですね。俺は、死ぬ間際まで生への希望、少しでも良くなるんだと言う希望を捨てない、そんな生き方をしたいもんだ、と強く思った。希望こそがもっとも大事なモノなのかなぁ