で去年、いくつか登ったマイナーな中で特に印象深く、知る人もいないような谷が「小又川カスミ谷」。ググってみると、スキーの記録が幾つも引っかかる、スキー屋にはそれなりに有名な谷である。この谷の入り口近くには「カスミの大滝 という、なかなかに迫力のある滝が控えていて、もっと有名になっても良いと思うが、殆んど知られていない。なんたって8月のお盆過ぎた時期でも、スノーブリッジで取り付けないんだから、その凄まじいばかりの積雪量を想像してみて下さい。
詳しくは、去年の報告をご覧下さい。
馬場島線(早月尾根の登山口馬場島に至る道)の小又橋から右手に砂防工事作業道をコット谷出合まで車(4駆なら)が入る。コット谷出合から河原歩き。地雷原みたいに石(岩)が浮いている。ナニ!!と言う大きな石が、指一本で崩れるんだよね。大日山谷を分けたらカスミ谷。一気に遡行らしくなる。クランク幾つか過ぎたら、ドンと 大滝。左(右岸)から越える。滝の上はのんびり。二俣過ぎたらまた 大滝。これも左(右岸)から越える。両方共ちょっとシビア。慣れているパーティなら問題ないだろうが、それでもチンチンがキュっとチジコマル思い。
二つめの大滝を過ぎたら、楽しくなる。楽しいのが過ぎたら荒涼たる荒れ谷。クランク少しばかり手前の左手の枝沢を登ると簡単に天上の楽園「天狗の踊り場」。でも、クランクが凄いです。是非見て下さい。クランクの先でも踊り場に上がれます。ここまできて、このクランクとその先で谷が奥大日に突き上げるサマを見ないと後悔します。
天狗の踊り場は、「こんな良いところ、オレらだけで占領しても良いの?」と思っちゃう程良いところです。西大谷尾根の藪を漕ぐ根性があれば、3時間か4時間で稜線に出られると思います。それが安全で、本来そういう計画にすべきでした。が、あたしらは、往路を引き返したのです。これがまた大変だった。パーティの技術監督の指導のタマモノで 無事帰ることができました。最後は、真っ暗な中、ヘッドライトで渡渉を繰り返して車に辿り着いたんです。ライトの渡渉は、緊張の連続、車に帰り着いたときは、真底深い充実感に浸ったことを昨日のことのように思い出します。
計画段階のことや、下山が遅れたことや、メンバーの人選の問題など、色々反省すべき点は沢山ある山行だったんですが、それでも、パーティ一丸となって困難に立ち向かい、安全で確実な突破方法を取り、下山した。装備や基本的な技術は問題なかった。天候の読みもバッチリだった。やっぱ、会心の山行だったと思うのです。はぁ、またあんなの、できるようになるんだろうか…。骨折は辛いですナァ。