五箇山 十八谷


県連の交流会の翌日、24日、五箇山十八谷に行って来た。“じゅうはちだに”と読むらしい。庄川左岸標高200M(祖山の対岸)辺りに入り込む谷で、すぐに左右に別れている。左又を遡行し杉尾峠から156線まで山道を下ってきた。写真は、一緒に行った機関車オダ号からもらったので、 f にあげました。会のページにも写真あり。

さてさて、最初の計画では、右又を遡行し左又を下行することにしていたけど、現地で右又を見たらあまりのしょぼさに「きゃ左登って右を下らんとだちゅかんまい」ということで衆議一決。計画変更で左を登る。
出だしは、大したこと無いふつ〜の沢で「な〜んもないちゃ」と文句も出てきたけど、やがて次々と滝が現われ「面白いの〜!!」となる。630付近で大岩のオチに倒木がかかっていて、そいつを頼りにシャリバテが突撃!!あたしゃ、「か、そんな無理せんでも右から簡単に巻けるじゃ」と巻きにかかる。巻きながらふと右手を見ると、倒木が覆いかぶさったエメゾのような流れ。その時は、「か、こっち(滝のある方)が本流に決まっとろう」と深く考えもしなかった。倒木のオチのカマテは「羽衣の滝」。10m程の見事な滝。傾斜はやや緩く、段々になっていて何とか登れそう。今回のパーティの師匠格の大将がリードで登り、俺がビレー。途中ハーケン一つ決めて見事にクリア。続けて全員登ったところで「か、なんか違わんけ」と声がかかる。
「良いねか、行けるとこまでいって、ヤブ漕がんまい」とマタマタ軽く決まって突撃。どうやら、“天女の羽衣”の魔力に引きよせられて、あらぬ方角の枝沢に迷いこんだらしい。あの“えめぞ”が本流だったとは…。
流れが尽きたら凄まじいばかりのヤブの洗礼を受ける。10m進むに5分の世界。途中なんとか少しばかり進みやすい凹状の場所に出て、そいつを頼りに上を目指す。14時前に登山道に出て「やった、助かったじゃ」。

助かったのは良いけど、この“登山道”がとんでもない曲者だった。標高を確認すると、どうやら杉尾峠の東側?に出たと思ったが、コンパスで方角を確認すると、なんと杉尾峠から赤祖父山に向かう縦走路(峠の北東側)らしい。どっちかで右に行くか左に行くかが違って来る。ヤバくも間違うところだった。で、縦走路なら左だゼ、と進むと幾つか作業道が下に向かうのに出くわす。えぇ、なんでこんな道が?さらに行くと、いかにも“登山道”らしき下に向かう道が左手から合流。先方には鉄塔が見える。鉄塔から少し行くと「杉尾峠」。

さて、どの道を下れば良いのか、さっぱり判らなくなってしまう。とにかく、地形図に載っていない道がタクサンあるらしい。自分等が出た“登山道”も地図に載ってない“作業道”らしい。で、さっきの鉄塔近くのいかにも“登山道”と言うのが下山コースだろう、と判断して下ることにする。

道自体は踏まれていて、所々マーキングのテープがあるが、そいつを頼りに進むと鉄塔で行き止まり。テープどおりで正解の場所もある。とにかく幾つも分岐が出てきてその都度「?」。地図には勿論迷い道など一つも載ってない。さらにさらに、朽ちかけた木の電信柱が道沿いにあるではないか。オマケに朽ち果てた戦前(もしかしたら明治時代?のもの?)のかも知れん鉄塔もある。一体これは?昔、井口村の奥から五箇山に電気を通すルートだった?

謎が深まりつつも何時しか国道156線が目の前にきた。いや助かった、ヤブ漕ぎも酷かったけど、下山の山道もこんな迷い道は初めてだった。最後の仕上げは、降り立った山道の終点(登るなら起点)に一切看板が無かったこと。ここまでくると、潔さと爽やかさを感じるよ。

ということで、当初の予定どおりには行かなかったけど、充実の遡行でありました。次回は、きっちり最後まで遡行したいね!!