「おじいちゃんのカラクリ江戸ものがたり」販売中止の件

禁煙ファシズム」つながりで、「おじいちゃんのカラクリ江戸ものがたり」販売中止の件と言うのを思い出しました。福音館書店が読者(日本禁煙学会と言えば良いのに)の方より指摘を受けて、「たくさんのふしぎ」2010年2月号『おじいちゃんのカラクリ江戸ものがたり』を販売中止にし、既に買ったお客さんからは返品を受け付け返金する、と言う話です。最初、asahi.comだかYOMIURI ONLINEで読んで、「福音館書店ともあろうものが、なんでそんな恥ずかしいことになっちまったんだろう」とぼんやり思っていたのですが、最近「禁煙ファシズム」って言葉を知って、これと絡めたりしながらたくさんの人がこの「販売中止の件」について語っていることを知りました。

まず自分はこの件では、販売中止になったこと以上に、このキャラ設定に福音館書店内部から異論はなかったのか、どうしてそのまま発売されてしまったのか、いったい児童書の出版社として歴史も実績もあるはずの福音館書店はどうしちゃったの、とホントびっくりしました。話の筋からの必然性は全くないのに、主要キャラにタバコを吸わせるのはないだろう、と思うのです。祖先とおじいちゃんの共通するところのものが、タバコである必然性は全くありません。何故タバコを共通のキーワードにしなきゃならないのか、全く理解できません。ところがです、「禁煙ファシズム」という最近知った言葉をキーワードに、暇にまかせてうろうろあっちこっち読んでいると、この販売中止の件を多くの人が語っているではないですか。

今回初めて知ったんですが、「NAVER まとめ」というのがあって、「【愛煙家おじいさん】「おじいちゃんのカラクリ江戸ものがたり」発売中止の意見まとめ」として25件掲載されて、そのうち19件が福音館書店の取った措置に批判、もしくは、販売中止を要請した日本禁煙学会に批判的な意見です。これまたちょっとびっくり。

で、まとめの人気トップに来ているのが「愛煙家おじいさんの登場する絵本が発売中止について。」と言うタイトルのYahoo!知恵袋の質問です。質問者の方は

私は非喫煙者ですが、こういう夢のある本のキャラクターがタバコを吸っているからと、こういう団体が口をだして販売中止に追い込んだりするのが、どうも感情的に好きになれないのですが、みなさんどう思いますか?
私的には、昔のおじいさんが想像できて、作品が大変温かみのあるものに見えてきていいと思うのですが。

と質問し、ベストアンサーは

この理屈がまかり通るなら、子供の頃に「北斗の拳」を見ていた僕は大量殺人者になってるハズですけどね。まぁ喫煙はたやすくできるから良い子が真似する…という理屈なんだろうけど。こんな前例ができると脅迫&金銭目的の「エセ正義団体」がますます増えてしまう。奴らは自分たちが正しいと思い込んでいるぶん、ヤクザよりもタチが悪いですね。表現の自由が滅んで「当たり屋」の雇用が増える…嫌な時代だなぁ。

と回答。

あと、この質問に対する回答も多くはこんな感じ。まとめを一つ一つ読んでいっても、「批判」となっているものは、大方こんな感じ。うーん、そうなんですか。タバコってどんな薬物なのか、ってのは、WHOも厚生労働省もその他色んな医療関連の方々も語りつくしていると思うので、その危険性について社会的な合意は十分に得られている、と思います。が、こんな方とか、いらっしゃいますからね、ちょっと心配な面もあります。

以下、私の考えです。

児童書において何がよくて何がダメなのか。

  • ライオンやゴリラやチンパンジーの交尾シーンは、それなりの配慮は必要だがOK。
  • 喫煙者が非喫煙者と同席してタバコ(今回はパイプですか?)を吸うのはNG。

販売をやめる要請とそれに応えた福音館書店の態度は、言論・表現の自由に対する脅威か。

  • そもそも福音館書店において出版前に内容を変更し、少なくとも子供と同席の喫煙シーンはなくすべきだった。そういうアホで無知な福音館書店にとるべき行動を要請するのは、当たり前のことであり、言論・表現の自由とは何の関係もない。
  • 日本禁煙学会のとった行動を禁煙ファシズムと断ずるのは、誤った判断である。

過去において、または現在においてタバコが頻繁に登場する漫画やアニメやドラマや映画も何とかしないと行かんのか。

  • 既に出版・製作されてしまったものはしょうがない。書かれたまたは製作された頃の時代背景上、タバコの取り扱いはしょうがない面がある。
  • 現在進行形のものは、速やかに治して(ニコチン中毒をね)欲しい。ONE PIECEのサンジとか真選組土方十四郎とか名探偵コナンの毛利のおっちゃんとかジンとか。
  • もう終わってしまったものは直す必要はない。そういうものあったと言う事実を抹殺する必要は、全くない。シャーロック・ホームズがコカインをやることを消す必要がないのと同じことだ。GTOの鬼塚とかホント困ったチャンだけど、まぁしょうがないですね。
  • 子供に見せるときには、大人がある程度配慮してやる必要はあるかも。まぁ、配慮なしでも判断できる子供に育てたいものだ(俺には無理だった、子供はアホになってしまった)。

って感じですかね。以下、読んだエントリーなどを貼っておきます。