癌友(がんとも)色々

化学療法2回目終了。今回も多少便秘気味以外は、自覚的な副作用は皆無である。病院のメシも美味しく完食、ちょっと足らない感じ。家でも、食い過ぎですな、このまま運動もしないなら確実に横に成長しますよ、と言う感じ。

で、気管支鏡検査、手術、術後化学療法2回、と4回も入退院を繰り返すと知り合いも増えてくる。富山赤十字の6階西病棟は、心臓血管外科・呼吸器外科の病棟なので、入院している患者は、心臓冠状動脈関係の手術を受ける者および受けた者、肺の手術を受ける者および受けた者がたくさん。で、肺の手術と言えばまぁ肺がんと言うことになる。手術直後の回復期を過ぎたら、4人部屋が基本なので、自然と癌友(がんとも)が出来た。

癌友Aさんは、去年の6月の終わりに肺葉切除術を受けた、言わば先輩。術後化学療法を受けるために短期入院中。朝から晩までシスプラチンと何かの併用の点滴を受けていて、気持ち悪くて飯も食えないらしい。若い頃から毎日2箱以上タバコ吸い続けてついに発ガンしてしまった。手術前日まで吸っていて、先生に叱られた、と話してくれた。もし再発したら、タバコ吸いまくって逝っちまうんだと語っていた。

癌友A:あんた、これ食べられ、オラ吐き気してとても食べれんがやちゃ。
俺:いや、申し訳ない、じゃ遠慮なく。
(と、夕食を全部もらう、完食して満足)
(看護婦さんが夕食を下げに来る)
看護婦さん:Aさん、全部食べれたがけ、すごいね。
癌友A:そいがやちゃ、頑張って食べたがやちゃ。(と平然と言う)

えー!!食べたのは俺だから!!この厚かましさこそが病に対する大切な武器なのかもしれない…。

癌友Bさんは、娘さんが看護婦さん。仕事の行き帰りにちょっと顔出して、なかなか明るい感じ。手術を受けず、化学療法だけ(放射線は聞いてなかったなぁ)で去年の10月から短期入院を繰り返し治療中。手術受けてない分、ぱっと見元気そうで、ホントに癌ながけ、と言う感じ。

俺:手術せんと点滴だけながけ?
癌友B:そいがやちゃ、おらのがな、細胞な小さいから、手術せんがやそうな。
俺:…

えー、それって、、、、何という明るさだ。やっぱりタバコは1日2箱だそうな。

癌友Cさんは、去年俺が退院する頃に肺葉切除術を受けた、まぁ後輩(人生の先輩ではあるが)だ。

癌友C:あんた、午前中で点滴終わるがけ、良いねぇ。おら、一日中ながやちゃ。
俺:まぁ、薬違うから。
癌友C:ふーん、あんた何期だったがけ。
俺:1Bですちゃ。残念ながら1Aでちゃなかったがやちゃ。
癌友C:えー、良いね、おら3だったがやちゃ。
俺:…

ちなみに癌友Cさんは、2年前に止めるまで、若い頃から毎日2箱だったそうな。3期で手術と言うことは3Aなんだろうけど、大変だろうなぁ。それにしてもあっけらかんと明るい。

とまぁ、わいわいとなかなかに明るい。大きな声でしゃべる(俺は地声がでかい)から、呼吸リハビリにはちょうど良い感じ。しゃべったら気持ちもすっきりするし、腹も減る。状態がよほど厳しくない限り、大部屋が良いと思う今日この頃でした。

で、こんな感じで、肺がん、この病棟ではなかなかにポピュラーな病気である。皆さん喫煙者。流石に「今も吸っとんがやちゃ」と言う猛者はいないけど。俺ぐらいか、「喫煙暦はあるけど止めて久しく最後に吸ったのは何時だったか覚えてもいない」ってのは。年齢も大体60台。ということは、俺のような例外はいるけど、概ね2箱以上40年吸っていたら確実に肺がんになる、ということである。タバコは怖いね!!




体験談は、あくまでも体験談、医学的な意味は全くありません、ご注意を…
参考:体験談は証拠にならない〜浄霊による体験〜